▼イベント概要
・開催日時:2021/08/25(水)15:00-16:30
・開催方法:オンライン(zoom)
・参加費用:無料
・発表内容
▶︎第一部:最近の環境業界の動向とDX事情
講 師:weee株式会社 代表取締役 宗 大介
▶︎第二部:収集運搬業務でのリスク管理の先進化
講 師:株式会社パイ・アール 本社営業部 原田 麻由 様
▶︎第三部:AI・IoTが変革する廃棄物管理業務
講 師:丸紅情報システムズ株式会社 クラウドソリューション事業本部 課⾧ 小宮 孝仁 様
・参加者:20名
▼第一部:最近の環境業界の動向とDX事情
●廃棄物業界のデジタル化の「現状」
weee株式会社は自社サービスである電子契約サービス「e契約®︎」で、従来紙+印鑑で行われていた契約書の締結を、電子上でできるサービスを提供している。
産業廃棄物処理の業界は、事務的な業務量が多い。
会社としての決算に加えて、行政報告と呼ばれる廃棄物の収集運搬量や処分量を管轄行政に報告するための書類も作成しなければならない。
つまり会社としての決算報告と行政報告と2つの報告が必要である。
この2つの報告が必要であるため、現状として、多くの企業で二重入力が発生している。
廃棄物の処理が終わったら、決算報告に必要なファイルに数値を入力し、さらに行政報告に必要なファイルにも同じ情報を入力している企業が多いということである。
●廃棄物業界のデジタル化の「動向」
そこで弊社では、業務改善プラットフォームである「kintone」と「e契約®︎」を連動させてマスタ管理をすることで、従来の二重入力を省き、kintoneに日次データを入力すると、自動的に経理や営業などのシステムへ自動反映される仕組みを構築している。
廃棄物業界にもデジタル化に関するキーワードにキャッチアップしている経営者も多く、そのような経営者の方々は電子契約やIoT、クラウド化など動向を追っている。
しかし、現状としてデジタル化が進んでいるのは、電子マニフェストと電子契約に留まり、その先の分野となると、新システムの導入に伴い、データの入力方法が変わったり、業務マニュアルが変わるなど、周辺整理や環境整備が必要で、導入に検討がかかるケースがある。
●電子化が推奨されている理由
電子化が推奨されているのは、電子化が進んでいる企業は効率化が進み、業務スピードも早く、業務の品質も高くなるからである。
具体的には、電子化をすることで、コンプライアンス対策やリモートワークへの対応、コスト削減や業務効率化の武器としてITを捉えている企業が多い。
▼第二部:収集運搬業務でのリスク管理の先進化
●運転に関する業界の現状
道路交通法に基づき、一定以上の台数を保有する事業所において、設置が義務付けられている「安全運転管理者」の業務は、「ながら運転、あおり運転、飲酒運転、異常気象」などへの対策で、担当者への負担ががますます増えている。
特に「飲酒運転」に関しては、飲酒運転が原因の大きな事故も起きており、日々のアルコールチェックが企業として、より求められる時代になっている。
さらに、白ナンバー車両に対しても、アルコール検知器によるドライバーの飲酒検査を義務付ける方針が発表された。
現状アルコール検査を実施していない企業も対応が求められるが、冒頭で話したように、安全運転管理者の業務量は多く、各ドライバーのアルコール検査もデジタル化、効率化を視野に進める必要がある。
●ITを活用した飲酒運転リスク管理~アルキラーPlusの事例紹介~
スマートフォン連動型検知器である「アルキラーPlus」は、スマートフォンでシンプルな操作で検査を行うため、ドライバーにとっても簡単である。
従来の商品では、使用期限が切れていることに気づかず使い続けることもあったが、アルキラーPlusは毎年新品に交換するため、期限切れのリスクもない。
リアルタイムでデータ化されるため、GPS機能搭載で遠方管理が可能で、各ドライバーのアカウントを連動させることで、虚偽の報告を防ぐことができるなど管理者にとっても便利な商品である。
データはクラウドに自動保存され、リアルタイムで正しい数値を確認することができる。アルコール反応があれば、ポップアップと指定のメールアドレスへの発信でリアルタイムでの通知が可能であるめ、発進前に対処することが可能となる。
クラウドに保存されたデータは、日付ごと、営業所ごと、ドライバーごとなど様々なパターンでの検索が可能で、エクセルやCSVでのデータ出力も可能である。
●導入事例
株式会社バイ・アールのHPに掲載されいてる「和光環境株式会社」の導入事例では、アルキラーPlusの導入後に、ドライバーの飲酒に対する意識が格段に向上した。
ドライバーの意識だけでなく、データ入力や管理の手間が省け、具体的に時間やコストの削減にも効果が出ている。
無料のお試し期間もあるため、興味のある方は、株式会社パイ・アールまで問い合わせをしてほしい。
▼第三部:AI・IoTが変革する廃棄物管理業務
●物流業界の2024年問題
働き方改革関連法で、2019年に日本で初めて時間外労働の上限規制が定められた。
これに伴い、2023年の割増賃金率の引き上げと、2024年の時間外労働上限規制が開始されるため、関連業種の企業は対応が求められる。
●廃棄物の収集運搬におけるコンテナ運用の現状
現在、産業廃棄物の収集のために設置されているコンテナの運用はかなりアナログな状態で行われている。現場担当者がコンテナの中身を定期的に確認し、満載になったら収集運搬業者へ電話し、回収の依頼をしているケースが多い。
コンテナを設置しているケースでは、コンテナ1杯ごとの処理費用を請求する契約になっていることがあり、想定よりも投入された廃棄物量が多いと収集運搬業者が差額を負担することになる。
さらに、コンテナは屋外に設置するため、鉄や非鉄などの資源が盗難に遭う事件も増えている。
●AIを活用したコンテナ回収のデジタル化~IoTカメラの事例紹介~
そこで、IoTカメラをコンテナに設置すると、カメラがコンテナ内を自動的に撮影し、AI画像認識技術で解析し、コンテナ内部の状況を担当者へメールにて通知することができる。
このシステムにより、適量でのコンテナの回収が可能で、さらに盗難やイタズラの防止にも効果がある。
このIoTカメラは、電源不要で電池で可動し、防塵防水で熱にも強いため屋外に設置するコンテナでも問題なく使用が可能、さらに三年連続利用が可能であるため、交換の手間も少ない。
●IoTを活用し、ゴミ箱をデジタル化~スマートパットの事例紹介~
ゴミ箱の下にスマートパットを敷くことで、ゴミ箱から蓄積状況を逐一システム上で確認することができる。
スマートパット1枚で100kgまで計測可能であり、それ以上になる場合は、コンテナやゴミ箱の四隅に1枚ずつ設置することで400kgまで計測可能なシステムを作ることができる。
こちらも先程のIoTカメラと同様に、コンテナ内が満載になる前に事前に回収ルートの構築をすることができるため、2024年問題で改善すべき物流業界の業務効率化への貢献が期待される。
まとめ
今回の技術勉強会で紹介したITを活用したシステム構築で、業務効率化を図り、企業としての様々なリスク回避及び時間やコストの削減に繋げるきっかけになると嬉しい。