近年、様々な分野での電子化が加速する中で、これまでは当然のように「紙」で運用されていた契約書も、「電子」での運用、つまり電子契約に移行されつつあります。
このような流れの中で、契約書を紙媒体でのみ保管していることが様々なリスクに繋がる恐れがあると見直され始め、リスクヘッジの一環で、契約書をスキャニングし、データとしても保管する必要性が注意されています。
そこで、今回は紙で締結した契約書を電子化してスキャニングする際の3つのポイントをご紹介させて頂きます。
スキャニングとは?
スキャニングとは、スキャナーを使用して書類や写真をPDFなどのデジタルデータに変換することです。
契約書をスキャニングする手順
紙で保管されている契約書をスキャニングする際の、一般的な手順をご紹介します。
A:保管している順番が変わらないように、ファイルから契約書を取り出す。B:契約書をスキャナーにセットする。
C:スキャナーの設定画面で、PDF形式を選択する。
D:添付書類を含む全てのページをスキャニングする。
E:保管していた元の順番で、契約書をファイルに戻す。
F:PDF化した契約書データを管理しやすいファイル名に変更する。
契約書をスキャニングする際の3つのポイント
続いては、契約書をスキャニングする際のポイントを3つご紹介させて頂きます。この3つのポイントを実践することで、スキャニング作業とその後の契約書データの保管の効率アップに大きく繋がります。
【3つのポイント】
①:実際に契約書をスキャニングし、全体的な工数と所要時間を予測する
②:スキャン後のファイル名のネームングルールと保存場所を明確にする
③:作業の途中で、定期的に保存できているかを確認し、バックアップを取る
それでは順番にご説明させて頂きます。
①:実際に契約書をスキャニングし、全体的な工数と所要時間を予測する
1つ目のポイントとしては、実際に契約書をスキャニングしてみて、全体的な工数と所要時間の予測を立てることです。
特にそれまで契約書をデータ化していなかった企業においては、保管している契約書のスキャニング作業にどれだけの工数と時間がかかるか予測しにくいのではないでしょうか。予測が立てられないまま作業を開始してしまうと、効率的に作業を進められない可能性が極めて高いと言えます。
そこでまずは、前の項目で挙げたような手順をいくつか実際に試してみて、各工程にどれだけの時間がかかるかを計測しましょう。
全体的な工数と所要時間の予測が立てられたら、必要な人員数なども予測でき、効率的に作業を進められます。
②:スキャン後のファイル名のネームングルールと保存場所を明確にする
2つ目のポイントとしては、スキャン後のファイル名のネームングルールと保存場所を明確にすることです。
スキャニングする作業を何名かで分担して行う際などは、それぞれが独自のやり方で作業を進めて、ファイル名に統一感がなく、せっかくデータ化したにもかかわらず、検索がしづらいということもよくあります。
このような問題を避けるために、データ化した契約書ファイルのネーミングルール(※例:「管理番号/企業名/契約内容」など)とデータの保存場所は、作業を始める前に明確にしておきましょう。
③:作業の途中で、定期的に保存できているかを確認し、バックアップを取る
3つ目のポイントとしては、作業の途中で、定期的に保存できているかを確認し、バックアップを取ることです。
一度に大量の契約書をスキャニングする際には、黙々と作業を進めてしまい、単純作業になりがちで、以下のようなミスが発生する恐れもあります。
・何時間も作業をしたのに、最初の設定が間違っていて、うまくデータ化できていなかった。
・データ化した契約書ファイルをデスクトップにのみ保管していて、パソコンの不具合でデータが開けなった。
そこで、1時間に一度など頻度を決めて、ちゃんと保存できているかを確認したり、作業に区切りがついたタイミングで都度バックアップを取るなどのリスクヘッジをすることも必要です。
契約書をスキャニングする際に注意点
最後に1つ契約書をスキャニングする際の注意点をご紹介させて頂きます。
契約書には、一見、契約の本文とは関係ないようにも見える表表紙や裏表紙、添付書類などがあるケースもあります。データ化した契約書を確認する担当者によっては、表表紙や裏表紙に押されている印鑑の種類を見る必要があったり、添付書類の内容を確認する必要があったりします。
そのため、契約書をデータ化する際には、その契約書の全ページを抜け漏れなくスキャニングするようにしましょう。
まとめ
今回は、契約書を電子化してスキャニングする際の3つのポイントについてご紹介させて頂きました。書類のスキャニング作業については、アウトソーシングを請け負うサービスも多く存在しますので、合わせてご確認してみてください。スキャイング作業を自社で行う際には、作業に慣れていない方も多いかと思いますので、本記事でご紹介した内容を事前に確認することで、より効率的に作業を進める工夫をしてみてはいかがでしょうか。