SDGs(エスディージーズ)という言葉を目にする機会は、ここ数年で急増してきたと実感している方も多いと思います。しかし、テレビや雑誌で取り上げられているニュースはいわゆる排出事業者に当たる企業の取り組みがほとんどで、廃棄物業界の方々からすると自分ごととしてあまりイメージできないという声も聞くのが現実です。そこで今回は、廃棄物業界にとってのSDGsについてご紹介していこうと思います。廃棄物業界の方で、今後SDGsの取り組みを始めたいという方には必見の記事です。
SDGsとは?
SDGs(エスディージーズ)とは、日本語には「持続可能な開発目標」と訳され、2015年9月の国連サミットの「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までの達成を目指す国際目標です。17のゴールと169のターゲットから構成され、1番目のゴール「貧困をなくそう」や2番目のゴール「飢餓をゼロに」など開発途上国に関わりが多そうな内容がメディアではよく取り上げられていますが、SDGsは開発途上国だけでなく、日本などの先進国も取り組む必要があります。
排出事業者にとってのSDGsとは?
ブランド総合研究所が約1万人にアンケートを実施した「企業版SDGs調査2020」(※参照:https://news.tiiki.jp/articles/4474)の上位には、自動車や食品など、商品を通じて一般消費者にも活動が伝わりやすいメーカーが多くランクインしています。
そこで評価されたポイントとしては、「環境に配慮している」ことや「社会貢献活動をしている」ことが多く、排出事業者となる企業としては、一般消費者の目に止まりやすい活動に注力しているようにも見て取られます。
では、廃棄物業者にとってのSDGsとはどのような取り組みが考えられるのかについて、次の項目でご紹介していこうと思います。
廃棄物業者にとってのSDGsとは?
廃棄物業者の業務の多くは一般消費者の方々と直接関る機会が少ないため、SDGsに取り組みたくても、どのようなことから始めるべきかわからないという方も多いと思います。そこで、こちらの項目では具体的なゴールをいくつか挙げて、廃棄物業者の方々でも取り組みやすいSDGsについてご紹介させて頂きます。
①:ゴール12「つくる責任つかう責任」
廃棄物業者にとって一番関わりの深いゴールは12番目の「つくる責任つかう責任」ではないでしょうか?「つくる責任つかう責任」では、我々が暮らすこの地球上に限りある資源について見直すメッセージが込められており、これまでのような大量生産、大量消費を止めるため、生産者も消費者も今一度考え直すことが求められています。
廃棄物業者としても、自社のリサイクル率を高めることが、限りある資源を有効活用することに直接的に繋がるため、ゴール12「つくる責任つかう責任」の取り組みだと言えます。
②:ゴール8「働きがいも経済成長も」
廃棄物業者の業務の多くは、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)のイメージが世間に広まっている現実があります。しかし実際は、かなり改善されている事例も多く、特に安全面に関しては、多くの企業で様々な取り組みが実施されています。
社員全員が安全に快適に働きやすい職場環境に近づけることが、ゴール8「働きがいも経済成長も」への取り組みにも直結すると言えます。
③:ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」
そして最後にご紹介するのが、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」です。それまでは男性の職場というイメージが強かった廃棄物業者も、今では女性の社員も増え、管理職に女性が就いている企業も多く見られます。
ただし、それまで男性が多かった職場で働く女性の人数が増えると、様々な工夫が必要になります。この点に関しては、他の廃棄物業者だけでなく、全く別業種の企業での取り組みも参考にしながら、女性が働きやすく、能力を最大限に発揮出来る環境や仕組みを整えることで、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」の取り組みにも繋がります。
まとめ
今回は、排出事業者だけでなく、廃棄物業界にとってのSDGsに関する取り組みについて、ご紹介させて頂きました。SDGsの取り組みについて、今までの業務と全く関係のない項目に取り組むことは難しいかもしれませんので、今の業務に関わる項目から始め、徐々に他のSDGsの項目についても取り組んでみてはいかがでしょうか。