公的データで予想される太陽光パネルの大量廃棄予想

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近年、急速にSDGsやサステナブルという言葉を頻繁に目にするようなったと感じている方も多いかもしれませんが、このような言葉が普及する前から、エネルギーの分野では地球環境に配慮した発電方法である「再生可能エネルギー」が注目されていました。様々ある再生可能エネルギーの中でも、日本では「太陽光発電」が最も浸透しています。そこで今回は、太陽光発電で使われる太陽光パネルの廃棄予想についてご紹介しようと思います。

太陽光パネルの設置が急速に増えた背景

ここ数年で太陽光パネルの設置数が急速に増えた一番の要因は、2012年の固定買取制度(FIT)の導入と言われています。このFIT制度は、太陽光発電や風力発電などでつくられた電気を、国が定めた価格で買い取るように電力会社に義務付けるための制度です。国内におけるエネルギー自給率の低さや地球温暖化対策を考慮し、日本での再生可能エネルギーの普及を目的として開始されました。

2012年のFIT制度を利用し、大量に設置された太陽光パネルの製品寿命は25〜30年とされており、2040年頃に寿命を迎えた太陽光パネルの廃棄が大量に出ることが予想されています。

環境省のデータで見る太陽光パネルの排出見込み量

2040年頃から大量の廃棄する太陽光パネルが排出される見込みですが、環境省からも「太陽電池モジュール排出見込量」が2016年に発表された「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」に記載されています。

以下の図からも分かるように、太陽光パネルの廃棄のピークは2030〜2050年になる見込みで、多い時には800,000tもの太陽電池パネルが排出される予想がなされています。

太陽光パネルの大量廃棄に関わる問題点

2012年のFIT制度開始時にはあまり議論されていませんでしたが、太陽光パネルの廃棄については様々な問題が関係しており、2040年前後に予想されている大量廃棄問題が近づくにつれて、太陽光パネルの廃棄についての問題も浮き彫りになってきました。

(出典)環境省HP「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)」

太陽光パネルの廃棄問題について今回の記事では、太陽光パネルに含まれる有害物質と最終処分場の2点について解説させて頂きます。

①:太陽光パネルに含まれる有害物質について

太陽光パネルには鉛、カドミウムなどの有害物質が含まれているため、その物の性状等に応じて適切な処分をする必要があります。しかし、処分業者によっては太陽光パネルの有害性について十分な知識がない可能性もあります。

太陽光パネルを産業廃棄物として処分業者に委託する際には、不適切な処理が行われないように、廃棄物データシート(WDS)にて情報提供をすることが有効です。

②:最終処分場のひっ迫について

大量廃棄される太陽光パネルを全量埋め立てたと家庭すると、2039年には太陽光パネルの年間排出量が、産業廃棄物の最終処分において、全体の6%をしめる可能性があります。

そこで近年、太陽光パネルのリサイクル技術も進歩しており、表面のガラスとそれ以外のパーツになど綺麗に分別することができれば、その多くを資源化することもでき、最終処分に埋め立てなければならない量を減らすことができます。

太陽光パネルを廃棄する際には、適正な方法で、出来る限りリサイクルできる処分業者に処理を委託する必要があります。

まとめ

今回は2040年頃に予想される太陽光パネルの大量廃棄についての廃棄量についてと、太陽光パネルの廃棄に関わる問題点についてご紹介させて頂きました。太陽光パネルを廃棄する際には、廃棄物情報シートにて委託する処理業者にしっかりと情報提供をし、出来る限りリサイクルできる処理業者に委託するようにしましょう。

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